TAN-F Project 試作機諸元
全長
24.35m
全高
6.05m
全幅
16.85m
重量
24000kg
最大速度
M2.2
原動機
GBXX-435a×2
固定兵装
20mmSBB-08機関砲×1・TLS戦術高出力レーザー砲
搭載兵装
AAM・長射程高機動AAM・ECMポッド等
機体解説
TAN-F計画で開発が進められていた機体のうち、前線における「戦術的壊滅」を主任務として開発された戦闘機。垂直尾翼はなく、機体腹部の可動式安定翼がその役割を果たす。離着陸時は邪魔となるため水平方向にたたまれているが、飛行中は飛行速度により最適な角度に稼動する。三次元変動スラスターの採用によって主に旋回時などでの高機動と安定性をキープし、スーパークルーズ機能も有する。前進翼を持つこの機体の兵装は基本的に機体内部の兵装ベイ内に収められるため、外部兵装をぶら下げることによる空気抵抗増の問題等が解決されている。「COFINシステム」の採用によりコクピットの装甲強化が実現され、さらに視認性が大幅に向上。コクピット内のモニターに直接ミサイルシーカーを表示させるなどの機能も搭載された。主兵装と言うべき戦術レーザーシステムはコクピットの下部に格納され、使用時はコクピットがせり上がる。レーザー砲に必要となるエネルギーを生み出す為のジェネレーターはエンジンに連動しており、発射後一定時間後に再発射が可能である。
ZOE-XX02
全長
27.85m
全高
7.05m
全幅
20.01m
重量
30000kg
最大速度
M2.0
原動機
GBXX-435a×3
固定兵装
20mmSBB-08機関砲×1・TRG大口径レールガンシステム
搭載兵装
AAM・巡航ミサイル・レールガン用通常弾頭・レールガン用散弾弾頭
レールガン用核弾頭
機体解説
TAN-F計画において開発されていた機体のうち、前線部隊の殲滅及び後方拠点の殲滅を主任務とした戦術攻撃機。機体の基本構造はZOE-XX01と同等であるが、TRG大口径レールガンシステムの搭載による重量増及び弾頭装填スペースを確保するため、ZOE-XX01よりも機体が大型化した。これによる機動性低下を補うため、エンジンが1基追加された他、姿勢制御用のサブバーニアが搭載されることとなった。この結果機動性はZOE-XX01と同レベルの水準を達成したが、燃料タンク自体の大型化はごく僅かに留まったため、航続距離はむしろ低下した。「COFINシステム」を搭載したコクピット内では、HUDを使用せずにモニター上に攻撃目標とロックオンシーカー、射撃照準レティクルを表示させることにより、パイロットの負担を軽減している。搭載出来るレールガン用弾頭は多くないが、TRG大口径レールガンから発射された弾頭は迎撃不能速度で目標に到達、炸裂する。散弾弾頭の場合は射出前に炸裂高度を設定することになるが、無設定なら5000フィートで爆発する。但し、自機が5000フィート以下である場合に無設定で射出することは出来ないよう、セーフティが為されている。高機動は実現されているが、機体重量の増大によって高Gが操縦者にかかる難点があるため、同機の搭乗要員選定の際は対G耐性の強い乗員の選択が望ましい。
ZOE-XX00
全長
24.5m
全高
6.05m
全幅
16.85m
重量
22000kg
最大速度
M2.4
原動機
GBXX-435Pa×2
固定兵装
20mmSBB-08機関砲×1・TLS高出力レーザー砲
搭載兵装
AAM・長射程誘導AAM
機体解説
ZOE-XX01・02開発を行うためのプロトタイプとして1機だけ開発された、戦術レーザー砲搭載の要撃制圧戦闘機。機体形状・COFINシステム・前進翼・安定翼等の外観はZOE-XX01・02と同様であるが、両機と比べると重量が15%軽量化されていただけでなく、搭載エンジン出力は30%増しとなっていた。このため全兵装搭載時においても画期的な運動性を発揮する反面、高機動を制御するに充分なパイロットの技量が必要となった。将来的には無人化も検討されていたため、幾度か無人での運用実験も行われた形跡がある。また、この機体のレーザー砲はTRG大口径レールガンへの換装可能なものとして開発が進められていたが、TRGの開発が遅れたためにTLSを固定武装として搭載することとなった。エンジン出力の増大によってジェネレーターでのエネルギー充填速度・発生出力が高められているため、ZOE-XX00のレーザー砲の威力はZOE-XX01のものを完全に凌駕する。オートコントロール下での有人飛行テスト中に発生した事故によって同機でのテストは終了、グランダー・インダストリーに保管されていたが、ベルカ事変末期にユークトバニア軍に供与される機体の一つとして移送中、何者かの手によって輸送船が襲撃され、以後行方不明となった。開発者たちからは"RAVEN"と呼ばれていたZOE-XX00であるが、ベルカ事変末期、旧ベルカ残党勢力との戦端を開いた「ラーズグリーズ航空隊」にて運用されていたとの話もある。が、確たる証拠は存在しない。歴史の闇から闇へと消えていった悲運の戦闘機である。