あとがきU


嘘八百です。でっちあげです。フィクションです。本編終了後に書いたオーシア・タイムズもAnother Acesも、AC05本編とは基本的に何の関係も……ないわけではありませんが……とにかく、masamuneが勝手に作り上げてしまった物語ですので、細かく見ていくと時系列的に大丈夫かな、というところもあります。次期主力戦闘機選定競技会を進める中で、ほとんど思いつきで書き始めたAnother Acesもようやく終幕となり、これで2010年9月24日に始まり、2010年12月31日に終結したベルカ事変について書きたかったところは一段落ということになりました。しかしこのAnother Aces、書き始めてからは苦労の連続でした。本編の進行にどうやって合わせて、かつラーズグリーズとは別の話をどのようにすり合わせていくか、という所はだいぶブレインストーミングしましたし、登場人物たちの設定も二転三転して、本当は敵で裏切るはずだったケネスフィード中尉が生き延びて、代わりにザウケン少尉が戦死する羽目になったり、ドレヴァンツ君の名前が決まらず、思いついた名前を都度書いていて後々修正で苦労したり……。そして最終話の展開がなかなか決まらず、結果的に最終話掲載まで2週間近くかかってしまったり(その間仕事で疲労困憊というのもありましたが)……。というわけで、読者の皆さんを散々お待たせしてしまったことをお詫び申し上げます。

大半の部分をオリジナルで書き上げる、というのはAC04の黄色の栄光編以来です。大変でしたが、自分でも納得のいく物語が書きあがったと思います。手直ししたい部分はありますが、ある程度勢いに任せて書いたパートもそれはそれで下手に手を入れてしまうと台無しになりそうなので、誤字脱字の類のみの修正になりそうです。ラーズグリーズ・エイセスの時よりも、コクピットでの動作や空戦の状況を細かく書いてみたつもりですが、専門知識もまだまだ足らないので詳しい方から見ると「失格」と言われてしまうかもしれません。ま、そこはご容赦を。もし読んで頂いた方が、自分がコクピットの中にいるような気分に多少なりともなれていたとしたら、masamuneとしては本望でございます。最初は多少実戦を経験しているけれどもまだまだナゲットだったアネカワ君も、最後には随分と成長してしまいました。いや、正直なところあそこまで育ってしまうとは筆者の意図を超えていました(笑)。彼もまた、あの戦いの中で成長した人間の一人、ということにしておきましょう。彼の尊敬すべき上司グレン・チェン・ガイヤ大尉同様、細君に尻に敷かれて幸せな家庭を作っていくに違いありません。しかし、ブレイズといいガイヤ大尉といい、皆が皆尻に敷かれているのもさすがにどうかと思いますが、きっと家庭内はその方が安泰のはずです……多分……いやきっと……。

では少しネタ晴らしでもしましょうか(笑)。
カイン・ケネスフィード中尉は、もともと話の途中で裏切るベルカ戦士の一人だったはずなのですが、結局最後まで生き残ってしまい、ドラグーン隊の一人として活躍してしまいました。その代わりにザウケン君が戦死してしまったわけですが……。名前だけでていてもう少し活躍というか醜態をさらすシーンに使いたかったのはグランダーのカスター君だったのですが、話の都合上ほとんど登場する機会もないまま拘束されてしまいました。そして何より、クライスラー大佐。当初の予定では、彼は完全にベルカの「灰色の男たち」の一員として暗躍してくれるはずだったんですが、物語を進めていくうちに、彼を大ボスにしてしまうと話が単純になりすぎて誰が敵だか分からずに翻弄される、という状況が見えにくくなるという理由で、一転実は熱いハートで空を飛べなくなって燻りつづけていたナイスガイに代わってしまい、この物語の影の主人公となってしまう出世を果たしました。おかげで当初から悲惨な末路を辿る予定のロックウェル君は完全にやられ役と化し、クライスラー大佐が暗躍しない分他の登場人物が必要になってドレヴァンツ中佐を急遽生み出したり、さらに中佐を徹底的に悪役にしてみたり。
ところでお気づきの方が大半でしょうが、空母「カノンシード」、護衛艦「レッド・アイ」、「ドラグーン」隊。いずれも、NAMCOのギャラクシアン3やスターブレードから拝借した名前です。そして憎きアップルルース君の愛機ZOE-XX02は、AC05の幻の戦闘機となった「ADLER」を登場させたものです。もっとも、散弾ミサイルを撃ち出す、と考えていたらゴリアテのような巨大戦闘艦が頭の中で出来上がってしまい、弾頭をレールガンで撃ち出すというシステムに落ち着いて、FALKENの兄弟機としてのZOE-XX02が出来上がった、というわけです。ちなみに、ラーズグリーズ・エイセスでブレイズが最後に乗っていた「FALKEN」は、設定資料集の方にも書いたZOE-XX00ということになっています。実際のところは知りませんが(笑)。武器は所詮人殺しの道具でしかありませんが、乗る人間次第で評価が全く変わってしまうということ、つまりはブレイズをハーリング大統領たち融和派の象徴とすれば、アップルルースたちの場合は覇権主義と戦争・破壊の象徴として際立たせるアイテムとしては使い勝手が良かったのかな、と思います。その割には、意外とあっけなくアネカワ君たちに撃墜されてしまったので、今となってはアネカワ君にも何か用意したほうが良かったのかな、とは思いつつも、そうなるとブレイズとおなじになってしまうので敢えてYF-23Aのまま彼には戦ってもらいました。

さて、これで2004年11月から書き続けてきたベルカ事変については一段落となりました。AC05の発売からとうとう半年が過ぎ去りましたが、その期間物語を書き続けることで出来たのは、応援してくださった皆さんのおかげです。また大会なども依然多くの方に参加して頂いていること、少し前までは閑古鳥サイトだったギャラリー大黒屋としては本当に感謝感謝です。次なる物語、「15 years ago」は少し趣を変える必要もあり、また私自身少し気分をリセットしたいということもありまして、若干時間をもらいますが、そう遠くないうちにまたリスタートします。そのときはまた、時々覗きに来て頂ければ幸いです。それでは、次なる舞台でお会いしましょう……って、掲示板には毎日出没しているんですけとどね(笑)。ま、何はともあれ、これからもよろしくお願いします、皆さん!

2005.05.13 2010時
銀座の夜景を見下ろしながら
masamune

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