サンド島防衛戦
攻略メモ
ユーク軍の大規模な強襲揚陸部隊がサンド島に接近する。当面のターゲットは、上陸用ホバークラフトとAH-64。これらがマップ東端まで到達してしまうとミッション失敗となるので注意。敵戦闘機も登場するが、遭えて相手にする必要は無いのでとにかく主力目標を狙っていこう。しばらくすると、再び弾道ミサイルの攻撃が迫るのでひとまず5,000フィート以上まで退こう。するとアークバードからのレーザー攻撃によって弾道ミサイルがかき消される。これで当面の時間が稼げたので、撃ちもらした上陸部隊を叩いていこう。強襲揚陸艦やフリゲートはミサイルでの撃沈だと時間がかかるので、爆弾を投下していくと良い。しばらくすると、アークバードの攻撃に業を煮やした敵潜水空母シンファクシから連続で弾道ミサイルが発射される。今度こそは5,000フィート以上まで上がらないとお陀仏なので注意。
アークバードの攻撃によって損傷したシンファクシが浮上するので、今度はこれが目標。シンファクシからは正体不明の敵機が登場する。こいつらの動きがとにかく早く、捕捉撃墜は現時点ではまず無理。シンファクシからの攻撃も半端ではないし、敵機の攻撃はとにかく執拗なのでUGB等を有効に使用してシンファクシを沈めてしまおう。艦橋部等の主力目標群を潰せばシンファクシ撃沈成功、ミッションクリアとなる。
ミッションの性格上、対地攻撃力が強い戦闘機に乗っておくことが必要か。
登場敵機:F/A-18C、ホバー、AH-64、フリゲート、強襲揚陸艦、HARRIER、F-35C、潜水空母シンファクシ
「何ですって?」
俺は思わず立ち上がっていた。マスドライバー基地での戦いを終えた俺たちを待ち受けていたのは、強襲揚陸部隊によるサンド島上陸作戦というありがたくもない代物であった。帰ってくるなり敵襲まで連れて来るなんて、と疫病神呼ばわりされるのは別に構わないのだが、司令官殿はハイエルラーク基地から来たばかりの新人たちまで防衛線に投入すると伝えたのだった。当然、新人たちの間にも動揺と衝撃が走る。
「今回の作戦については全力出撃とし、飛行可能な機体は全て出撃させる。よって、配属されたばかりの新人も初陣として出撃してもらう。今やオーシア空軍一のエースパイロット部隊と呼ばれる君らなら、彼らの引率も充分に果たせるのではないかね?」
「お言葉ですが、彼らはまだ従来の訓練ですら完了していません。他にも戦闘機を操縦出来る方がいらっしゃるはずですが?」
そう、自分たちも戦闘機乗りであるはずの士官殿たちはばつの悪そうな顔でそっぽを向いた。こんなときバートレット隊長だったら、パンチの一つや二つ飛んでいるのかもしれない。そこまでは出来ないが、到底承服することなど出来ない宣告だった。
「ブレイズ、これは決定事項だ。この基地が万一陥落するようなことがあれば、我が軍の防衛は根底から崩れ去る。分かったな、これは命令だ。」
「……了解致しました。」
背中で組んだ手の平を思い切り握りつぶしながら、そして司令官殿の横幅のある顔を睨みつける。自分たちはいつも安全な場所で高見して、戦果は自分たちが挙げたものとして横取りする。最悪の寄生虫とも言うべき組織の権化を目の当たりにして、またも嫌な気分になる。
なおもペロー大佐の空疎な演説が続いている。
「あまりムキになるなよ、俺たちで大変なところは片して、新米たちには高見の見物をさせる手もあるんだからさ。」
隣に座っていたダヴェンポートが小声で慰めてくれた。司令官がそっぽを向いているのをいいことに、「頭が硬いだけの飾り物、動いているのは胃袋だけ」とゼスチャーで示して周りの人間のウケをとったはいいが、「胃袋だけ」のところで視線があってしまい、脂肪の奥の欲深そうな目がダヴェンポートを睨みつける。一瞬だけ演説が止まったが、また彼は分厚い唇を動かし始めた。要は、国のために戦え、それが愛国者としての軍人の在り方だ、全てを投げ打つ事も出来ない軍人は軍人の資格が無い、そんなことを彼は延々と叫び続けていた。そしてそれは平和主義の大統領への批判にも変わっていた。この戦争に勝利した暁には、道を誤った平和主義者の一掃が必要だ、云々、いい加減馬鹿馬鹿しい演説に皆が飽き始めていたが、ナガセはそんな司令官を冷たい目で刺すように睨んでいた。
「以上だ、各員の奮闘に期待する。解散、出撃にかかれ!」
くだらない演説による拘束という最悪の檻から解き放たれた俺たちが、先を争うように退室していったことは言うまでも無かった。
新人たちの離陸を援護し、全機上がったことを確認したうえで俺たちは編隊を組み直した。新人たちの乗るF-5E12機を3つの編隊に分け、これをチョッパー、エッジ、アーチャーの各機が指揮下に置き、俺自身は各隊の支援に当たると共に、遊撃機として恐らく来るであろう敵航空部隊を潰す、という布陣だった。というより、それ以外に新人たちの生還率を高める術がなかったと言った方がより適切かもしれない。
「みんないい?敵艦船への攻撃は一撃離脱を原則として、決して低速度での旋回を行わないこと。私の後についてくること。そうしたら、必ず生きて帰れるわ。いいわね?」
「了解」
新米たちの声は緊張で強張っている。中には操縦桿を握る手が震えてしまっている者もいるだろう。早過ぎる出撃。俺たちだって、有り得ないタイミングで実戦を迎え、そして激戦に幾度も投入された身ではあるが、彼らに比べれば訓練時間も飛行時間も圧倒的に多いレベルだった。
「おいおい、新米たち、そんなに緊張していたら敵さんに届く前にプッツンしちまうぞ。ほら、恋人のいる奴らはそいつらの顔を思い浮かべろ。恋人のいない寂しい奴は好きな芸能人の顔を思い浮かべろ。ほーら、そいつらに会いたくなってきた。だから、生き残るんだ、いいな?」
「アーチャーよりチョッパー、ということはチョッパーは芸能人の顔ですね?」
「ほっとけ、お前だって新米みたいなもんだろうが!」
ようやく新米たちの笑い声が聞こえた。こういうのはチョッパーの独断場だ。全く脱帽。
「それに、頼りになる隊長もいる。みんな、必ず生きて帰るわよ、いいわね!」
「ブレイズより、各機、決して無理はするな。単独行動をせず、最低でも2機でペアを組んで飛ぶんだ。間もなく接敵する。エッジ、チョッパー、アーチャー、指揮を任せる、いくぞ!」
「了解!」
新米たちを含めて16機が高度を下げ海面の上を疾走する。やがて俺のHUD上には上陸部隊の先鋒であるホバークラフトにロックがかかる。トリガーを引き、その鼻っ面にバルカン砲を叩き込む。装甲等ないに等しい上陸用ホバーのエンジンが吹き飛び、爆発と共に一回転してホバーが四散する。新米たちから歓声が挙がる。
「チョッパー隊、交戦、いくぞ野郎ども!」
「アーチャー隊、交戦。右翼の艦艇を叩く!」
俺は機体を上昇させ、5,000フィートまで上がり、上空を旋回し始める。低空では、3人に率いられた新人たちが初の戦果を挙げ始めている。バートレット隊長の厳しいトレーニングは、今こうして俺たちが指揮する場になって役立つことが多い。敢えてリスクを伴う反復攻撃を避け、一撃離脱を徹底したのは急旋回を繰り返すような戦闘機動にまだ耐えられないからだが、数機での集中攻撃は功を奏し、サンド島へと進撃しようとする上陸艇は次々と撃沈され、護衛のフリゲートも爆弾の集中投下により火を吹き上げ迷走を始める。3人の指揮は見事なものであった。
「サンダーヘッドよりブレイズ、敵護衛機がそっちに向かっている。ひょっとしたら対地攻撃も兼ねているかもしれん。F/A-18が4機、正面だ!」
俺のレーダーにも光点が映る。新人たちに近づけさせるわけにはいかない。俺はそのまま加速し、正面から彼らを迎え撃つべく突撃した。遠方に点に見えた敵機目掛けてバルカン砲をお見舞いする。高速ですれ違いざま、1機のコクピットを潰すことに成功し、コントロールを失った友軍機から離れようと編隊を崩した敵の後背に喰らい付く。ロックオンしたことを告げる電子音が心地良く響く。愛機の翼から放たれたAAMは、必死に回避行動を試みる敵機を無慈悲に撃ち砕いた。
「くそっ、こんな腕利きがいるなんて聞いてないぞ。海上の友軍艦隊、上空支援はどうした!!」
俺は最後の1機の上を取り、その翼を撃ち貫いた。炎と共にコントロールを失った機体が、パイロットのあげる断末魔と共に海面へと墜ちてゆく。
「何をしている、各員奮闘せよ!空の勇士達の帰る場所を何としても守り抜くんだ!!」
基地司令官殿の珍しい名言が聞こえてくる。
「司令官殿は心変わりでもしたんでしょうか?」
「いや、俺たちにはきっと別の言葉が待っていると見たぞオイラは。」
「指揮官殿、司令官殿の耳に入ったら大変ですよ」
海面では、強襲揚陸艦の砲塔が一斉に火を吹いている。遠方にある基地を見ると、着弾を告げる爆炎があがるのが見えた。滑走路には命中してはいないだろうが、このままではいずれ被害が出てしまう。
「ウォードッグ、貴様ら我々を見殺しにするつもりか!!あらゆる犠牲を払ってでも基地を死守せよ、と伝えたはずだぞ!!」
さっきの勇ましい台詞はどこへやら、悲鳴付きの怒号が響き渡る。防空壕に入っているだろうに、何とも情けなくなって思わず笑ってしまう。
「グリム、ほらな。まだまだ人生勉強が足らないねぇ、チミも。」
「我々も嫌われたもんですねぇ」
気に食わない司令官殿であるにしても、基地を失うことだけは避けなければならない。俺は急降下して海面スレスレまで高度を落とし、強襲揚陸艦のドテッ腹めがけて急行した。ロックオンを告げる電子音を聞きながら、こんなときのために持ってきたASMを発射する。海面スレスレをまっすぐに排気煙が伸びて行く。
「左舷にASM、ファランクス撃て!早くしろ!!」
「駄目です、間に合いません!!」
敵の悲鳴が聞こえるや否や、火柱が2本上がる。弾薬庫に引火したのか砲塔部分が爆発で吹き飛び、一気に艦全体に火が回っていく。
「すごい。あれがウォードッグリーダーの飛び方なんだ……」
「僕たちも、あんな機動が出来るようになるんだろうか?」
次の目標だ!俺が機首をフリゲート艦に向けた瞬間だった。空を物凄い速度で上昇していく物体が目に入った。
「ウォードッグ隊、弾道ミサイルだ!!急ぎ5,000フィート以上まで上昇せよ!」
まさかシンファクシがこの海域に来ていたのか!?軌道を変更して一気に機体を上昇させる。
「みんな早く!急いで5,000フィート以上まで上昇しなさい!!」
ナガセが絶叫する。だが、状況を飲み込めない新人たちは急旋回を伴う機動に付いていけず、上昇が遅れてしまっていた。
「くそっ、早くしろ早く!!」
「間もなく弾着!」
その瞬間、白い光が空を切り裂いた。
弾道ミサイルの着弾はなかった。空からの光が弾頭をすべて消滅させていたのだ。
「Aサットリンク照準固定?何だ、このシステム割り込みは?」
サンダーヘッドの管制システムに何者かが割り込んできているらしい。
「こちらアークバード。航空機部隊を支援させてもらう」
「アークバード!じゃあ、この間のレーザーモジュールの攻撃なの、これは?」
「何て照準精度だ……隊長、これなら行けますね!」
再び光が空を切り裂き、ミサイルを消滅させる。俺たちはその間に残りの上陸部隊に壊滅的な打撃を与えつつあった。回避行動を取り始めた艦艇に容赦ない攻撃を叩きつける。放ったASMに艦橋を吹き飛ばされた艦が航行不能に陥り漂流を始めたが、その左舷にもう一隻が突っ込み衝突する。激しい轟音。そして大爆発。あたり一帯に破片をばら撒いて交錯した二隻が轟沈する。
「いける、いけるぞ、これなら僕たちもいける。生き残れるぞ!!」
ひよっ子たちの歓喜の声があがる。だが俺は、海中から連続で弾道ミサイルが打ち上げられるのを見てしまった。立て続けにミサイルを妨害されたシンファクシは、連続攻撃に切り替えてきたのだ!
「全機攻撃停止、上昇しろ!!」
「何してるの、ひよっ子たち、早く、早く上昇しなさい!!」
急制動と急上昇で激しい振動が機体を揺さぶる。振り向いて後方を確認するが、まだひよっ子たちは上がってこない。
「馬鹿、死にたいのか、早く上昇しろ!!」
「もう少し、もう少しで敵艦を落せそうなんです。大丈夫です、いけます!!」
「アークバード、何をしているの、ひよっ子たちが!!」
だが、アークハードの攻撃は連続で放たれた弾道ミサイルの一つしか破壊できなかった。その直後、5,000フィート以下に到達した弾頭が分裂し、そして炸裂した。無数の光球が海上を包み込み、その振動が空気を激しく震えさせた。
「脱出ハンドルが動かない!!」
「主翼が、主翼が折れた、うわぁぁぁぁっ!!」
「嫌だぁぁ、死にたくない!死にたくないぃぃぃっ!!」
俺たちの目の前で、ひよっ子たちが次々と散っていく。一人として残らず。だが、それだけではなかった。シンファクシは友軍の艦艇まで巻き添えにしていたのだ。
「何て奴だ。てめぇさえ生き残れば味方でも犠牲にするって言うのかよ!」
「アークバードより、哨戒機。投下したソノブイのデータを転送できるだろうか?」
「問題ないと思うが……よし、今送った。何に使うんだ?」
返答は無かったが、代わりに一本のレーザーが海面に突き立った。
「おいブービー、何で海にレーザーを落したんだ奴さんは?」
「隊長、ひょっとしたらあの地点が!?」
ナガセの推測を証明するかのように、着弾点から無数の水泡が浮かびだし、そして海面が膨らんだかと思うと銀色の艦隊が姿を表した。アークバードの攻撃により、右舷に大きな亀裂が入っているのが確認できる。あれならば潜航はもう出来まい!シンファクシ。空に上がったばかりの俺たちの後輩を葬り去り、その前は友軍の艦艇や航空隊の命を大量に奪った殺戮兵器!
「ひよっ子たちの仇、取らせてもらうぞ、覚悟しろ!!」
珍しく俺の中で何かが弾けた。対空砲火が正面から飛んでくる中を旋回しながらくぐり抜け、対空砲の並ぶ横っ腹に立て続けにASMを叩きつける。すかさず操縦桿を引き、衝突スレスレで上空に退避。振り返るとASMの命中により対空砲座から火災が発生している。チョッパーたちも攻勢に転じ、残弾をこれでもかとシンファクシに叩きつける。シンファクシの周囲は爆炎と水柱に覆われ、残った銃座から対空砲火が浴びせられるが、俺たちに届く弾は無かった。業を煮やしたシンファクシは散弾ミサイルを発射したが、回避方法を知っている俺たちはもうその攻撃を見切っていた。何回目かのミサイル発射タイミングを見計らって、その発射口に俺はASMを叩き込んだ。ハッチが吹き飛び、発射しかけのミサイルがへし折れて海中に沈む。これでもうミサイルは撃てまい!!さらに追い討ちをかけるようにアークバードのレーザーが艦隊後部を直撃し、貫通した。
「メインタンク損傷、浸水止まりません!!」
「メインエンジン損傷、航行不能!!」
「くそぉ、何であいつらには攻撃が当たらないんだ。俺たちは悪い夢でも見ているのか!!」
パニックに陥った乗組員たちの通信が飛び交う中、俺はトドメの一撃を与えるべく艦の後方に回り込んだ。なるほど、外殻は相当の強度を持つに違いない。だが、内部からならどうだ!俺は穿たれた大穴めがけて、残りのASMを叩き込んだ。白い排気煙の筋が穴に吸い込まれ、そして炸裂した。内部から艦隊を吹き飛ばすような大爆発が起き、あっという間にシンファクシの姿が海面から見えなくなった。少しして、海面がぐっと盛り上がり、巨大な水柱が吹き上がった。それはまるで、シンファクシの断末魔のようであった。
「こちらサンド島基地、ペローだ。敵部隊を壊滅させたそうだな。さすがは我が誇るべきウォードッグ隊だ。」
今もっとも聞きたくない男の声だった。
「残念ながら新米パイロットたちは全滅のようだが、盾の代わりにはなっただろう?私の配慮に感謝してくれよ」
「ふざけるな!安全な穴倉でぶるぶる震えていた野郎が、何を居丈高になっていやがる。今から戻って蜂の巣にしてやるから、滑走路に立っていろ。いいな、このチョッパー様がてめえの肉だらけの体を挽肉に変えてやるからな。いいか、聞こえたかこのくそ野郎!!」
「よせ、チョッパー!しかし司令官殿、12名もの将来あるパイロットの命を無駄にした責任は当然負って頂けるのですよね?自分は作戦前彼らを出撃させないように進言しました。その責任がどこにあるのか、良くご自身がお分かりの筈ですが?」
ヘッド音越しに、司令官殿のうめき呟く声が聞こえてくる。「こいつら、俺が下手に出れば」と。俺はこれ以上不毛な会話を続ける気はさらさらなかった。
「ウォードッグ隊、帰投します。」
「よっしゃあ、司令官殿、滑走路で待っていろよ。」
「チョッパー、いい加減になさい!隊長にまで迷惑をかけるつもり?私だって悔しいのは同じ。少し黙りなさい!」
ナガセのきつい一言でチョッパーもさすがに黙り込んだが、内心は俺も同じだった。司令官たちのいる建物ごと、吹き飛ばしてやれればどんなに楽か、と。だがそれで散っていった新人たちが戻ってくるわけではない。島に帰るまで、その後俺たちは終始無言であった。チョッパーにとっては残念なことに、司令官殿の姿は滑走路上にはなく、執務室に閉じこもっているとのことだった。
司令官に罵声を浴びせた責任を問われるものと覚悟していたが、ハミルトン大尉の取り成しもあってか一切不問となった。例の通信の発言がサンダーヘッドを通じて軍本部に届いたため、逆に司令官殿が譴責処分となったのだ。シンファクシとの戦いで散った新人たちの遺体を回収することは出来ず、遺族が引き取らなかった遺品の残りが、格納庫裏の草原に葬られることになった。草原に並んだ12本の十字架。守ってやれなかったことが、余計に俺の心を暗く湿らせていく。こんな想いをするために、俺はパイロットになったわけではなかった。俺は時間が経つのを忘れて、草原に立ち尽くしていたのだった。