ミッション1

エルジア軍の攻勢にひたすら逃げを決め込んでいた我々にようやく反撃の機会が訪れようとしていた。この長い戦いの中で生き残っていたパイロット達から選りすぐられたエース達で構成されるISAFの特殊航空隊。気がつけば俺もその一員として、「メビウス1」のコードを受け取っていた。とはいえ、そもそも生き残っている奴が少ないから、生きてりゃエースになれるっていうのも現実なんだが。
と、再編成をしていたらさすがに敵さん抜け目がない。こっちの防空体制が整わないうちに爆撃機でこっちの本拠地を一気に突いてきた。やらせるわけにはいかない、というわけでブリーフィングも短く切り上げて、出撃へ。「まわせーっ!!」出撃メンバーたちの叫びが新しく舗装されたばっかりの滑走路に響き渡る。どうやら配属されているメカニックたちも腕利きぞろいのようで手際がいい。機体が空母もないのに艦載仕様のF−4ってのが気に食わないけど、これしか乗るもんがないから仕方ない。金が貯まればいい機体を仕入れてくれるというのを信じて出撃することにするさ。AAMを搭載可能量の限界までぶら下げて、俺たちの機体はランウェイへ。敵の爆撃隊はあと10分で本部に到達するところまで来ているらしい。離陸許可が出ると同時にアフターバーナーON。心地よいGの感触を味わいながら、久々の大空へ舞いあがる。

上空を飛んでいるAWACS「スカイアイ」から敵爆撃隊の位置が伝えられてきた。奴さんたち、まさか襲撃されると思ってもいないからろくに護衛機もつけずに飛んできたらしい。なめやがって。
「メビウス1、たっぷりお灸をすえてやろうぜ」
レイピア09がおどけた声で、しかし腹の底は大真面目に伝えてきた。手信号で諒解の意を伝え、スロットルを最大に叩きこむ。出撃した6機は散開して無防備なケツをさらしているTu−16に襲いかかった。編隊の中央を横切り急旋回。敵護衛機の体制が整わないうちに、最後尾の機体の真後ろに食いつく。「お休み。」20ミリバルカンは爆撃機の機体を引き裂き、Tu−16は火球となって四散した。ついで並列に飛んでいたもう1機にもミサイルをお見舞する。主翼を吹っ飛ばされたその機体は、煙を吐きながら海上へ落ちて行った。周りを見まわすと僚機がさらに2機の爆撃隊を撃墜していた。七面鳥撃ちみたいなもんだ。
「メビウス1、上から2機!」
スカイアイのレーダーの目はかなり正確らしい。上を見ると太陽の反射光をきらめかせてF−5Eが2機こっちめがけて突っ込んでくる。ご丁寧にレーダーロックまでかけられていやがる。ロックされたことを伝える警告音が狭いコクピット内に響く。機体を急上昇させて逆にレーダーロックをかけてやる。これでも食らえ!すれちがいざまにバルカン砲の嵐を一方にお見舞し、急旋回を繰り返してもう1機の後ろにくらいつく。シザースを繰り返して逃げているが、どうやらそんなに腕のいいパイロットではないらしい。スピードが落ちて近づいてきたところへミサイル。後ろ半分を吹き飛ばされながらもパイロットは何とか脱出したようだ……運のいいやつめ。その後、一瞬で2機を撃墜されたのが癪に障ったのか残り2機の護衛機がこっちに向かってきたが、僚機の援護もあって難なく撃破。撃墜スコアの足しにはなったか。

俺たちの部隊は残った爆撃隊も血祭りに挙げて、無事帰還した。損害はゼロ。集まったメンバーたちもなかなかの強者たちのようだ。後ろをまかせてもいい連中だ。今回の勝利で敵さん本腰入れてこっちを叩きに来るだろうが、痛い目見させてやる。今までの屈辱を晴らしてやらなきゃ、この戦争で散って行った仲間たちに申し訳ないってものだ。

本ミッションにおける撃墜スコア
戦闘機4・爆撃機8
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