ミッション14

連合軍による侵攻作戦は着実に進んでいる。挟撃作戦を行うため、陸軍の別働隊が大陸北部より上陸したのだ。ロスカナスの大部隊に気を取られていたエルジア軍にとっては寝耳に水、だったのだが、奴らは部隊の代わりにとんでもないものを向けやがった。偵察飛行をしていたU2偵察機は、巡航ミサイルを搭載した多数の爆撃機がファーバンティ近郊の空港から飛び立つのを捕捉したのである。爆撃隊はいくつかの方面に分かれて既に陸軍への攻撃体制をとりつつあるらしい。地点的に、そして実力的に最も適した部隊を派遣する、というわけで俺たちの部隊に出撃命令が下った。巡航ミサイルの撃墜。スクランブル待機中の戦闘機が次々と離陸していく。俺もまた最大巡航速度で、闇夜を駆ける。

護衛機の灯りしか見えないフライトは結構寂しいもんだ。俺は大陸北部の氷結地帯をマッハ2で飛んでいる。スカイアイの管制で昼間同然のコース取りが出来るとはいえ、やっぱり不安なもんだぜ。
「メビウス1よりスカイアイ。敵の姿は見つかったのか?」
「ネガティブ・コンタクト。まだ機影らしきものは発見出来ない。」
敵の姿が見えないだけに、どこかで焦りがつのる。背中を冷たいものが流れて行くような感じがする。そのときだった。
「エンゼル01よりメビウス1、今前方で何か光りました!ミサイルでは!!」
エンゼル01の声にレーダーに目をやると、確かに明るい光点が6つ、確かにこっちへ向かってくる!俺は一端上空へブレイクし、一気に加速した。眼下を6本の巡航ミサイルが高速で通りすぎる。俺はフル加速でミサイルを追撃し、そしてAAMを発射した。F−15ACTIVEの加速に自分自身の加速を加えて、ミサイルの排気煙が伸びて行く。数秒後、空中で6発の花火が炸裂した。真っ暗な氷結地帯が明るく照らされ、地面を覆う氷にその光が乱反射して幻想的な光景を作り出す。
「スカイアイよりメビウス1、新手だ、北東方向から9本!」
旋回をして新手に向かう。が、俺の目の前でミサイルたちは二手に分かれて飛んでいった。味なマネを!一方をエンゼル01にまかせ、もう一方の5本を追撃する。距離を離されちまったから、追いつくのが大変だ!しかも今度の奴はルート変更をちょこちょこしやがる。余程性格の悪い奴がコース設定したんだろう。ただその分距離は次第につまり、ようやく射程内に捉えた。食らえ!発射されたミサイルは正確に目標を捕らえ、また氷河の上に花火が炸裂する。どうやらもう一方の方はエンゼル01が撃ち落したようで、レーダー上の光点は消滅していた。
「メビウス1より、スカイアイ、ミサイルの撃墜に成功した。他はどうだ?」
もう一度付近を旋回しながら、敵の姿を探す。そのとき、北西の空で何か光るのが見えた。
「スカイアイよりメビウス1、敵の爆撃機を発見!巡航ミサイルを一発だけ発射したようだ。」
1発だけ……?あれだけバカスカ撃って来た奴らが1発だけミサイルを打つものか?放たれたミサイルは、低空を氷河のルートに合わせるかのように飛行している。まさかとは思うが……俺はエンゼル01を退避させた。そのうえで射程の長いAAMに切り替え、レーダーロックをかける……よし!俺はミサイルを発射すると、急旋回し、スロットルを最大に叩きこんだ。F−15ACTIVEは圧倒的な加速でミサイルから離れて行く。体にかかるGで一瞬意識が飛ぶかと思ったぜ。数秒後、突然夜空が真っ白になった。俺のAAMの直撃を受けた巡航ミサイルは、上空500メートルで炸裂し、半径数キロ内の氷を吹き飛ばした。……戦術核!!何てもの使いやがる!!
「スカイアイよりメビウス1、最後の花火はなかなかすごかったな。無事で何よりだ。」
「陸軍の方はどうだ?」
「無事拠点を確保。北部の都市群の解放に成功したようだ。空軍の支援に感謝すると言って来ている。」
どうやらうまくいったらしい。しかし核まで持ち出すってことは相当向こうも追い詰められてきているな。……決戦の時は近い。

本ミッションにおける撃墜スコア
巡航ミサイル16

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