フィーナ・ラル・ノヴォトニー 21歳の若き女性エース。「偽りの空」編主人公にして、カイト隊3番機。「円卓の鬼神」とかつては呼ばれたエースパイロットの四女。姉妹の中では最も大人しい性格だが、戦闘機の操縦技量は恐らく一番。ただし、父との技量と経験の差に萎縮しているため、本来の能力を出し切れていない。艦隊の男性陣の人気者であるのだが、ほぼ10割の確率で撃墜された男が多いために、陰では「鉄壁」の渾名を付けられている。1番機のグランディスにビシバシと鍛えられ確実に技量は上がってきている。 後にグリフィス隊の1番機となるジャスティン・ロッソ・ガイオと共に、戦争の背景に隠された真実へと迫っていくこととなる。最近の悩みは、グランディス隊長の厳しい監視の結果、ちょっとでも迂闊な行動を取った男たちが海へと投げ込まれてしまうこと。別にフィーナは男嫌いという訳ではないのだが――。母親譲りの金髪を南国の風に揺らしながら、今日も彼女は戦い続ける。そして、「南十字星」との出会いが、彼女の人生を大きく変えていくことをまだ知らない。 |
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アルベール・ジュネット フリーのカメラマンを経て、今やベテランジャーナリスト、そして大統領府の一員として名を連ねる。物語の語り部の1人。最早決着が付いたかに見えた戦争。そこに登場したエースと、戦争の裏に隠されていた真実が、彼をついに動かす。ハマーの思いつきで始まった取材は、やがてオーシア・タイムズの大スクープへと繋がることとなる。 かつて、ラーズグリーズの目撃者となった彼の取材眼は極めて鋭い。歳を重ねたことによって以前よりも皮肉屋ぶりはとあるエースパイロットの影響のせいか随分と増したようであるが、決して嫌味ではない。オーレリア入りしたのは勿論取材のためであるが、彼の役目はそれだけではない。オーレリア残党軍を支援することとなる「シルメリィ艦隊」に対して、グリスウォールやレサス軍の情報を伝えることも彼の役目であるのだ。やがてその情報と彼のスクープが戦局を大きく、そして激しく動かしていくことになる。 2010年のベルカ事変当時と比べると、随分とおっちゃんになったジュネット。でも、彼の取材時の服装は健在である。きっと、かつてケイ=ナガセを撮影したデジタルカメラも彼のポケットに収まっているに違いない。 |
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フェリス・グランディス 年齢不詳の女傑。カイト隊1番機。サピン空軍からの派遣パイロットであるが、180cmに届く長身と男勝りの物腰から『男女』と呼ばれ、本人もそれを由としている。言動は極めて現実主義者でクール。任務のためなら手段はあまり選ばないタイプ。壊滅状態のオーレリアに早々に見切りをつけてレイヴン艦隊独自の行動を行うよう何度も司令部と激突する。しかし、オーレリアにグリフィス隊が現れるや、レサス軍との全面対決を進言したり……。先の大戦で「円卓の鬼神」と共に戦った祖国のエースたちに鍛えられた縁から、フィーナの保護者を自任している。このため、彼女に言い寄る男たちは、まずこの女傑との対決を余儀なくされる。なお、グランディスが交際を認めた男は……物語の進行と共に明らかになる。 航空母艦シルメリィの男たちからは最も恐れられている彼女。うっかりとフィーナに近付いた男たちは、シルメリィの甲板上から海面へのダイブを強いられることとなる。そのせいか、救援ヘリ部隊の技量は非常に高く、シルメリィ艦隊司令官のレスター・アルウォールにしてみれば複雑なところである。なお、そのでかい図体が災いし、彼女が搭乗出来る戦闘機は限られてしまっている。現在の彼女の愛機は、ADF-01S。そう、ファルケンの改良型である。 |
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アーデルベルト・ミッドガルツ ノルト・ベルカより派遣されている、24歳のパイロット。基本的に口数は少ないが、温厚な表情に微笑を絶やしたことが無い。女傑グランディスの下にあって、全く物怖じしないところが彼女の気に入ったところのようである。カイト隊2番機としてグランディスをサポートしつつ、フィーナの援護も忘れない。パイロットとしての腕前は、ノルト・ベルカの候補生だけあって高い。母国におさなじみの婚約者がいるらしく、週一の文通を絶やしたことが無い。実は全くの下戸であり、宴会でも常にオレンジジュースをワイングラスに満たしている。 操縦技術だけでなく、武道にも長けている。このため、彼のベットには刀剣類まで転がっており、迂闊に近づくと怪我をする元とされている。時折、甲板の舳先で、恋人の写真を見つめながら微笑んでいる彼の姿が目撃される。コクピットの中にも写真が実は貼ってある。 |
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ユーリー・ブーニン・ファレーエフ ユークトバニアより派遣されている、30歳のパイロット。対地・対艦攻撃のスペシャリストだが、空中戦の技量も高い。先のベルカ事変にも参戦していた経験を持ち、女傑グランディスの下で経験に裏付けられた進言と年長者としての適確な判断を下す。きちんと整えられた髭の良く似合う男。ラーズグリーズを間近に見た人間の1人であり、レイヴン隊の一員として戦えることを誇りとしている。作戦の成功よりも部隊の生還を第一に考えて動く。そのため総撃墜数はフィーナよりも少ないが、グランディスを別とすれば、フィーナとアーデルベルトの背中を常に守って飛ぶことを自らに課している結果である。 騒々しい隊長に対し、沈着冷静、加えてスーツ姿がよく似合う。葉巻の愛好家でもあるが、艦内が完全禁煙にされたため、時々デッキの上や甲板上で蛍を点している姿が見かけられる。ウィスキーの愛好家でもあり、シルメリィに乗り合わせている傭兵部隊の猛者どもと酒を飲み交わしていることもある。 |